光・視環境部会
「光・照明」なんでも情報館
特ダネ情報【博物館】
人とあかりの出会い
神戸らんぷミュージアム
〒650-0034
神戸市中央区京町80番
クリエイト神戸2F・3F
TEL 078-333-5310
FAX 078-333-5320
■入館料:大人400円・小人200円
     団体(30名以上)
     大人320円・小人160円
■開館時間:午前10時〜午後5時
    (入館は午後4時30分まで)
■休館日:月曜日
    (祝日・振り替え休日の場合は
     その翌日)
     年末年始(12月28日〜1月4日)
■HP:http://www.kobe-lamp.com/
ランプ
ねずみ短檠(たんけい)
ねずみ短檠(たんけい)/ねずみをかたどった油容器が、自動的に油を補給しつつ一定の明るさを保つように工夫されている。
神戸らんぷミュージアム
日本有数のランプコレクションを誇った北野らんぷ博物館の貴重なランプの数々を関西電力が受け継いだのは、昭和63年のことだった。

ミュージアムの開設準備が進められる中、平成7年、神戸の街を阪神・淡路大震災が襲う。しかし、当時ランプのコレクションは別の場所で保管されていたため奇跡的に難を逃れ、平成11年4月、神戸らんぷミュージアムがオープンした。

「これもなにかのめぐりあわせというか、運がよかったんですね」と伊藤副館長は語る。「なにしろ古いものですから、一度壊れてしまうと、交換がききません。修復には相当な手間と費用がかかります。実際、神戸の街には昔のランプを扱った骨董品屋がたくさんありますが、ホヤやシェードの一部が欠品になっているものも多いのです。そうなっては資料的な価値も、ランプとしての魅力も半減してしまいます。このミュージアムでも、古いランプに実際に灯を点すことがあるのですが、やはり緊張しますね」。
古代の火起こし器
古代の火起こし器/火の存在は人類の生活と密接につながってきた。ランプの登場以前、火は「あかり」そのものでもあった。
神戸らんぷミュージアムは、JR三ノ宮駅から徒歩7分、旧居留地の中にある。年間2万6千人が見学に訪れるという。人類が「あかり」を手にした原始の時代から、火起こし、油を燃やすことによるランプの発明、ガス灯、電灯による照明へと歴史順に展示されている。中でも圧巻は西洋と日本の石油ランプを集めた「文明開化のあかり」コーナー。座敷ランプ、卓上ランプ、吊りランプなどの壮麗で瀟洒なデザインのランプが集められており、石油ランプ技術の円熟期を実感させてくれる。

「今は子供たちが、マッチを自分で擦ったことさえないのがあたりまえの世の中です」と伊藤副館長は語る。そんな子供たちに少しでもあかりを身近に感じてもらおうと、「あかりの体験教室」を三ヶ月に一回開催している。提灯や燈籠の工作、火起こし体験などを通じて、都会の生活から失われてしまった「あかりと人の関わり」を伝える試みだ。思えば、かつて「あかり」は身につけるものであり、身体感覚を伴った道具の一種であった。今は照明といえば設備の一種であり、いつでもどこでも明るさを満たしてくれる。環境として整備されるようになればなるほど、「あかり」は人間の手から離れていってしまったのかもしれない。

「携帯型のランプは、日本の特徴なんです。日本では火打ち石なども携帯用がちゃんとありましたし、行燈などは、携帯するあかりの最たるものだったといえるでしょう」(副館長談)。あたたかに時代を照らし出してきた、さまざまなあかり…。もう一度、あかりのある生活のやさしさ、ゆたかさについて考えてみたくなる、そんな「神戸らんぷミュージアム」です。
取材日:2005年6月16日
「あかりの大革命」
ガス灯や電球のコレクションを集めた「あかりの大革命」では、当時のポスターや看板も展示。
「あかりのミュージアムウォーク」
神戸旧居留地の街路をイメージした「あかりのミュージアムウォーク」
昔話や童話をモチーフにしたディスプレイ
あかりと人の関わりを描いた昔話や童話をモチーフにしたディスプレイ。
PageTop