住まい方部会
快適に暮らせるちょっとした工夫
在宅介護・バリアフリーを目的とした建て替え・住み替えおよびリフォームに関するアンケート調査
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研究報告
「住宅および住生活」に関する調査報告書
1.はじめに
 2003年度の研究報告では、住まい手が「住まいの中で困っていること」をピックアップし、どのような対策を住まい方の知識(技術)として提案できるのかについて、検討を行った。その内容を受け今年度は、実際に住まい手は日々の住生活においてどのような点に困っているのか、それらは何が原因となって起こっているのか、また住まい手はどのような対策を行っているのか(あるいは行っていないのか)、対応できた点・できなかった点等について、実態調査を行うことにより検証することとした。
2.調査の概要と回答者の属性
 関西の四年制大学の1年次に在籍する学生(43名)に依頼し、2005年8月〜9月にかけて調査を実施した。調査回答者は、世帯主またはその配偶者で、居住している住宅の維持管理状態の詳細を把握している者とした。調査票の質問項目に基づき面接インタビュー方式で回答を得た。アンケート調査票の回収数は43名であった。回答者の属性としては、「一戸建て持ち家に居住し、大学生の子どもをもつ中程度以上の所得層で、世帯主ならびにその配偶者が40代〜50代の夫婦と子ども世帯」が多い結果となった。
3.居住歴と居住意識(省略)
4.住まいの中で困っていること
 「現在の住宅で困っていること」に関して、回答の多い順に結果を示す。それらは以下の4項目に大別されると考えられる。
  (1)維持管理面 (2)環境面 (3)スペース面 (4)その他(故障・不具合)
  困っていることしては「維持管理面」が最も多く、続いて「環境面」「スペース面」となっている。その中でも特に「居室窓の結露」「浴室のカビ」及び「外の音」に対する問題が多数を占めている。なお棒グラフ下部の塗りつぶし部分は、対策を施したと回答された件数である。全体的に対策を施されているのが少ない状況がうかがえる。(図1)
図1 現在の住宅で困っていること
図1 現在の住宅で困っていること
「困っていること」の対策は3分の1強(35%)しかとられていない。対策をとらなかった理由は、「有効な対策が思いつかない」が6割弱(59%)ともっとも多い。(図2)
5.リフォーム歴
 リフォームの理由を見ると、老朽・故障・手入れといったメンテナンスに関するもの(48%)と、間取り・家族構成・使い勝手といった住宅の機能性に関するもの(35%)の2つに大別される。(図3)
図2 不満に対する対策実施状況
図2 不満に対する対策実施状況
 リフォーム実施の理由に老朽化や家族構成の変化があげられていることから、住宅の築年数とリフォーム実施件数についての相関関係を確認してみたところ、築年数が長くなるほどリフォーム実施件数が増えることがわかった。(図4)
図4 築年数とリフォーム実施件数
図4 築年数とリフォーム実施件数
図3 リフォーム理由
図3 リフォーム理由
6.生活に対する意識(省略)
7.まとめ
 調査結果からみられるように、住まい手はいろいろな問題点にぶつかっている。その中で浮かび上がってきたことは、「有効な対策が思い浮かばなかったから」といった知識不足が原因で、「住まいの中で困っていること」に対して具体的な「対策を講じたことがない」という住まい手が多く存在していることである。一方そういった困ったことに対していろいろな工夫をしたり、さらに大きな問題点に対してはリフォームを行うなど問題解決のための対策を講じている具体的な例も見られた。
  住まい手が自分の家を自分自身の手で大切に守っていくこと、すなわち自己管理のもとに住まいの点検・メンテナンスや簡易な修繕といった日常的な管理を実施することは、住まいの問題要素の早期発見・早期対応につながり、住まいにとっても、また、住まい手にとっても安心・安全かつ健康な環境を実現し、さらには住宅の長寿命化にもつながっていくと考えられる。そのためには住まい手自身が、住まいの中で起きる不具合や問題点から、ライフステージの変化にともなう家族の住生活、住要求の変容や、時間経過とともに建物が劣化することなどについても、正しい知識と対応策を「住まい方の技術」として持っておく必要がある。また住宅を供給する側にとっても、住まい手に対して適切な住まい方の技術(知識)を公開し、啓蒙を図っていくことが重要なテーマとなってくるであろう。
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