6月になり、全国的に梅雨入りをしました。
今のところ雨量は少ないようですが、この時期は身の回りのカビに注意を心がける必要があります。
さて今月は化学物質と発がん性を取り上げて見たいと思います。
国際的にIARC(国際ガン学会;フランスに本部があるWHOの関連組織)の発がん物質に関するクラス分けが最も信頼度が高いようです。
IARCは表に示すように発がんランクを
グループ1「ヒトに対する発がん性があることが確認されている物質」(87種類)
グループ2A「ヒトに対して恐らく発がん性がある物質」(63種類)
グループ2B「ヒトに対して発がん性があるかもしれない物質」(234種類)
グループ3「ヒトに対する発がん性について分類ができない物質」
グループ4「人に対しておそらく発がん性はない物質」
の4グループ、5通りに分類しています。

厚生労働省が1997年以降に室内濃度指針値を設定している13の化学物質ではホルムアルデヒドの発がんランクが最も高く、グループ2A「ヒトに対して恐らく発がん性がある物質」に属しています。ホルムアルデヒドはアレルギーやシックハウスの面だけではなく、発がんの点でも十分注意する必要があります。
ホルムアルデヒドは建材関係では主に接着剤、塗料、防腐剤に含まれていますが、アイロン掛けが不要の形態安定加工のシャツなどにも含まれており、新品では衣類のホルムアルデヒド濃度が規制値をかなり越えるケースがあります。但しホルムアルデヒドは水に溶けるため、1回洗濯するとかなり減少するので新品は洗濯してから着るのが無難です。
また、ホルムアルデヒドは食品の椎茸や一部の魚類にも含まれていますが、こちらは食品規制法で制限されています。
化学物質以外でグループ1に属するものとしては、よく知られているアルコールやタバコ、アスベスト、放射能以外にカビ毒や女性ホルモン等があります。
ホルムアルデヒド以外の化学物質は殆どがグループ2B「ヒトに対して発がん性があるかもしれない物質」に属していますが、パラジクロロベンゼン製の防虫剤等は使用を避けるのが無難と言えるでしょう
KJKでは第63回健康住宅アドバイザー公開試験を7月10日(日)と7月13日(水)に東京、大阪の2会場で開催しますが、受験申し込みは6月7日(金)終了させて頂きました。
次回の公開試験は11月に東京、名古屋、大阪、広島、福岡の5会場で開催を予定しています。
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