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KJK INFO
----2003年10月----
 ●「健康とあかり」
 
最近、夜熟睡できずに昼間に睡魔が襲う睡眠障害に悩まされる人が増えています。忙しい現代社会では、生活が不規則になりがちで、知らず知らずのうちにリズムを崩してゆく人が多いのではないでしょうか。健康なリズム形成には、規則正しい生活が基本ですが、なかなかそうもいかないという方も多いでしょう。

実は、健康なリズム形成には光による刺激が密接に関与しています。本来、人間の体内時計は25時間サイクルのリズムで動いており、自然界の24時間サイクルとは1時間のずれがあります。実際には昼間に光を浴びることで、このずれを修正し24時間のサイクルに同調しているわけです。ですから、昼間薄暗い部屋は陰湿な感じがするだけでなくリズム形成の上でも好ましくありません。また、朝日が燦々入って来る部屋は気分的にすがすがしいだけでなく、健康なリズム形成にも効果的であるといえます。

最近の研究では、寝る前の数時間に浴びる光が睡眠の深さと関係が深いこともわかってきました。就寝前に受ける過度の光刺激が熟睡を妨げられるというものです。
さて、最近は常時接続のインターネットが各家庭に普及し、深夜遅くまでパソコンに向かってメール交換やネットサーフィンを趣味にしている方も多いのではないでしょうか。しかし、パソコンの明るいディスプレイを深夜長時間見続けることは、健康なリズム形成には良くありません。なぜなら、深夜まで起きていることで睡眠時間が削られるだけでなく、作業中に受ける光刺激が睡眠の質にまで影響するからです。

快眠のためには、就寝前の数時間は少し控えめの明るさで、黄みの強い白熱灯や電球色蛍光灯の光のもとで過ごすのがよいとされています。秋の夜長、部屋の照明をちょっと暗めにし、寝る前の数時間を落ち着いた気分で過ごしてみてください。きっと翌朝の目覚めが違うはずです。

光・視環境部会
後藤浩一
積水ハウス株式会社 総合住宅研究所
ハートフル生活研究所