NPO法人 日本健康住宅協会 トップページへ 地図・連絡先 入会案内 お問い合わせ サイトマップ
 
行事予定
 第11回研究発表会 レポート
 5月21日(水)13:00〜16:45、大阪・梅田にある「大和ハウス大阪ビル」2階の大会議室で“第11回研究発表会”が行われました。

今回も、防露、防菌防カビ、環境生物、空気環境、床下環境、温熱環境、水環境、光・視環境、音・振動環境、住まい方の10部会が、前年度に計画した研究テーマの活動結果を、それぞれの代表者たちが発表していきました。各発表者の持ち時間は15分、その後、質疑応答の時間が約5分という条件の中、データー表や写真を前方のスクリーンに映しながら、短い時間にもかかわらず来場のみなさんに分かりやすく説明していました。質疑応答では、分かりにくい事や説明不足の部分に関して行われる通常の質問のほか、「次はこんな事についての研究をしてほしい」「もう少したくさんのデーターを集めてほしい」などの要望など、今後の研究の参考になる貴重な意見もたくさんあり、聞いている側だけでなく、発表者側にとってもいい勉強になったようです。
研究発表会がはじまる前や休憩時間、終了時には、会場全体が社交の場となり、知り合い同士で談話を楽しんだり、初対面の人と名刺交換をしたり、発表時とは一転、なごやかな雰囲気で会場全体が包まれていました。
午後1時。まずは、主催者の開会挨拶からはじまりました。約10分の説明および挨拶の後、会場が暗くなり、いよいよ研究発表の時間となりました。
大和ハウス大阪ビル
▲大和ハウス大阪ビル


主催者の開会挨拶
▲主催者の開会挨拶
一番手は防露部会代表の積水ハウス(株)石井宏行さん。今年度の研究内容は「除湿換気ユニットによる結露低減実験」で、室内の水蒸気を濃縮して屋外に排出する「除湿換気ユニット」をエアコン用スリーブ穴に設置し、どの程度の結露低減効果が得られるかを調査した結果です。
石井宏行さん
▲積水ハウス(株)
石井宏行さん
防菌防カビ部会からは(株)日本衛生センターの小林智紀さん。今年度は「『浴室のカビ』、その実態と対策について調査報告」ということで、過去に公表された「浴室のカビ」についての文献内容の調査と実際の家庭の実態をつかむためのアンケート調査を実施しました。
小林智紀さん
▲(株)日本衛生センター
小林智紀さん
環境生物部会からは積水化学工業(株)の森田英文さん。彼らの部会では、一般家屋の害虫管理に役立てることを目的に「住宅内の飛翔性昆虫の季節消長の調査」として、住宅内で夜間に飛翔する昆虫類をライトアップにより採取し、昆虫の屋外からの侵入や発生の程度、季節的消長を調査しました。
森田英文さん
▲積水化学工業(株)
森田英文さん
空気環境部会からは積水ハウス(株)の間瀬昭則さん。「室内化学物質測定パッシブサンプラーフィールド評価試験結果報告」ということで、市販されている各社の室内化学物質測定器のフィールド調査を行い、それぞれの特性や精度などをあきらかにしました。
間瀬昭則さん
▲積水ハウス(株)
間瀬昭則さん
床下環境部会からは、この日の発表者の中では紅一点である(株)日本衛生センターの玉置和美さん。今年度は前年度の第2報ということで、床下の温湿度環境の数値・外気と床下の温湿度の相関関係・床下換気扇の設置効果などを測定し、「床下換気扇及び床下土壌含水率の床下環境に対する影響調査報告」を発表しました。
玉置和美さん
▲(株)日本衛生センター
玉置和美さん
温熱環境部会からは積水ハウス(株)の石田建一さん。同部会では「住宅の空調機器に関する調査報告」として、省エネと健康・快適という2点にポイントをおき、最新の空調機の開発動向を調査しました。
石田建一さん
▲積水ハウス(株)
石田建一さん
 
スライド映写での研究発表
▲スライド映写での研究発表
15分の休憩時間を挟んで、第2部の1番手は水環境部会代表の東邦レオ(株)大久保勝行さん。今年度は「水環境に関する調査報告」ということで、琵琶湖がある滋賀県の下水道処理方法の調査、また、大阪市の上水道での水処理について調査した事柄について発表しました。
大久保勝行さん
▲東邦レオ(株)
大久保勝行さん
光・視環境部会からは積水ハウス(株)の後藤浩一さん。今年度は住宅における光環境の現状の問題点を把握するために、「生活光環境実態調査」として、居住者自身で自己評価が可能な調査シートを作成し実態調査を行ったようです。
後藤浩一さん
▲積水ハウス(株)
後藤浩一さん
音・振動環境部会からは松下エコシステムズ(株)の荒井卓也さん。同部会では、「うるさい」と体感する因子と代用特性を見つけることを目標とした調査を行い、「住宅騒音における『うるささ』の要因に関する調査報告」として発表しました。
荒井卓也さん
▲松下エコシステムズ(株)
荒井卓也さん
最後に住まい方部会からは大和ハウス工業(株)濱野稔さん。今年度は「健康な住まい方の工夫−その2」として、健康に関連性のあると考えられる睡眠・食事・だんらんなど、いくつかの生活シーンを軸にし、それに関する工夫を提案しました。
濱野稔さん
▲大和ハウス工業(株)
濱野稔さん
研究発表会も無事に終わり、17時から「懇親会」として、大和ハウス大阪ビルの向かいにあるハービス内「ちゃんと」で打ち上げパーティがありました。最初のうちはみなさんが仕事の話や研究の話をしたりして全体的にかたい雰囲気ではありましたが、おいしい料理とお酒がすすむうちに、それぞれがリラックスして趣味の話などをはじめたりして、盛り上がっていた様子です。ちなみに一番印象的だったのは、今回代表として研究成果を発表されたみなさんの終了後の笑顔でした。達成感とホッとした安心感でとてもいいお顔をされてました。

2003年度 第12回研究発表会レポートへ