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協会だより
更新日:2011年10月28日
  ◇ 10月のおたより  ◇
 

 10月14日の気象庁による9月の気候系監視速報では、日本の月平均気温は全国的に高く、北・東日本では平年を1℃以上上回り2つの台風や前線の影響で記録的な大雨となり甚大な被害が発生しました。

 一方、世界の天候は東シベリア南部からモンゴルにかけては北からの寒気で異常低温となり、ヨーロッパ東部からアフリカ北西部では異常高温、異常少雨、パキスタン南部ではモンスーン活動が活発で異常多雨となり、月平均気温は上昇傾向を続け長期上昇率は0.59℃/100年だったと発表しています。

 タイでは過去50年で7〜9月としては最多となる記録的な大雨が降り、タイの南北を縦断して緩やかに流れるチャオプラヤ川が7月下旬に上流で氾濫して洪水を引き起こしたニュースが伝えられていましたが、雨期の経過とともに浸水域が拡がり10月中旬には中流域で多数の日系企業が進出している同国最大のナワナコン工業団地を含む7つの工業団地が次々に浸水して自動車や電機の工場が操業停止に追い込まれ深刻な社会・経済的な問題に発展しています。下旬には洪水は首都バンコクの北部に達し、中心部の一部でも浸水が伝えられ、首都と周辺を含めた人口1,000万人超の住民への影響が懸念されています。

 洪水の原因としては平年より30%以上も多かった降雨量を挙げていますが、タイ北部国境地帯の山間部に住む少数民族の焼畑農業による歯止めのない熱帯雨林の焼失や経済成長に伴う木材需要の増加で木材伐採と土地開発が進み保水性の高い熱帯雨林が急速に減少していること、工業化の進展で工場や道路、住宅地が増加し、治水に有効な農地や湖沼、遊水地が失われて洪水への緩衝機能が昔に比べて著しく低下していることが指摘されています。人為的な問題としてはダムの管理者が溢水寸前の川に満水したダムから放水して洪水を助長したことやダムや運河の泥土蓄積による容量低下、浸水防止のための土嚢積上げや運河水門の開閉指示に関するトラブル、変わったばかりの政権と野党との軋轢など、当事者間の利害や政局絡みの問題などへの言及もあります。

 専門家のシミュレーションでは浸水地域の排水には雨期後もしばらくかかる見込みのようです。
 古今の歴史書によれば治山・治水は治世そのものであり、技術的な問題もさりながら英知と財力及び時間の賜物と考えられます。
 我が国は3.11東日本大震災では世界中の援助を受けましたが、今回は協力を惜しまず持てる力を発揮してタイの人々に喜ばれるお返しをしたいと思います。


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日本健康住宅協会 吉田佐門
 
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