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協会だより
更新日:2012年5月22日
◇ 5月のおたより  ◇
 

 これからの季節は真夏に向かい気温が上昇するので、健康の維持のためには熱中症対策が欠かせません。
 その対策の一つに、良い汗をかくというのがあります。

 汗は体温調節をするという大切な役割があり、良い汗とは、一度放出した大切なミネラル分を再び血液中に吸収した水に限りなく近い成分で、臭いが少なく、小粒で濃度が薄くサラサラで、そして肌の上ですぐに乾くので、体温調節を効率的にできる汗です。
 一方悪い汗は、ミネラル分が再吸収されず多く含まれ、大粒で濃度が濃くネバネバです。
 蒸発しにくいので、雑菌の繁殖が起こりやすく汗の臭いも強くなります。
 しかも体に必要なミネラル分が失われてしまうため、大量にかくと、慢性疲労などの体調不良の原因となります。
 汗腺の機能は、汗をかけばかくほど高まるという性質があるので、汗をどんどんかいて汗腺を鍛えるのが、良い汗をかく近道になります。

 近年エアコンの普及や、交通手段の発達などにより運動量が少なくなったなど、汗をかく機会が減ったことから、現代人の汗腺機能は低下し、ネバネバした濃度の濃い悪い汗をかきやすくなりつつあります。
 人間の体には平均350万程の汗腺があると言われていますが、その半分近くの汗腺は普段は休眠状態になっています。
 つまり、活動している汗腺の数が減ると、1つの汗腺は他の休眠している汗腺の分まで働かなければなりません。
 そのためゆっくり、水分以外の成分を血液に戻している余裕がなくなってしまうのです。
 活動している汗腺の数が増えれば、1つの汗腺が一定時間当たりに出す汗の量が減るため、良い汗が作れるというわけです。

 汗腺を鍛えるためには、体の内側を温めることで、長い時間汗腺を開かせ、汗をかくようにすることです。
 そして、その汗の蒸発により体を冷やすという方法が健康維持のためには理にかなった方法なのです。

 夏は一日中エアコンに頼りがちですが、冷房時の室温を政府推奨温度の28℃にするなどの配慮をすれば、適度の汗をかくことができます。またこの方法は同時に節電にも効果があります。
 とくに、夏は外の暑気と、エアコンの寒気を短時間で交互に受けることが多いため、汗腺疲労がおき、夏バテの原因となります。
 エアコンの効いた部屋と暑い戸外を行き来するときは、すぐに暑気や寒気にあたらず、5分ほど玄関先などにとどまり汗腺を慣らしましょう。さらに、有酸素運動などで積極的に体を動かし、内側から沸いてくるエネルギーで汗をかくようにします。

 エアコン漬けになっている人は、シャワーだけでなく、入浴で体の芯を温めると効果的です。
 お風呂でできる汗腺トレーニングは、まず43〜44℃といった熱いお湯にひざから下を10〜15分ほどつけます。5分間も行うと、汗をかき始めてきます。できれば同時に、腕も同じように熱めのお湯につけると、より効果的です。
 次に、36℃程度にぬるくしたお風呂に、10〜15分ほど全身をつかります。
 ぬるいお湯につかることで、副交感神経が刺激され、体はリラックスした状態になり、汗腺を休ませることができます。
 お湯から上がったら、体から水分を拭き取り、服を着ずにそのまま汗を乾燥させます。このときエアコンに当たるとその冷気により体の表面が冷えてしまい、汗腺が閉じてしまうので、うちわであおいで涼をとるのが良いでしょう。
 また、風呂上りにリンゴ酢や黒酢などの入った飲み物で、水分とクエン酸を補給すると良いとされています。クエン酸は細胞がエネルギーを作り出すのに必要な物質で、汗腺の細胞にクエン酸が取り込まれると、細胞が元気になると言われているからです。

 なお腕と足の汗腺は老化しやすいので、腕と足の汗腺機能が高まると、体全体でまんべんなく汗をかけるようになります。この様な入浴方法を2週間ほど続けることで、におわないよい汗がかけるだけでなく、体温調節機能が高まり、熱中症の予防にもなります。


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本部 安藤研治
 
 
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