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協会だより
更新日:2013年2月18日
◇ 2月のおたより  ◇
 

 皆さん今日は!
最近インフルエンザが全国的に猛威をふるっていますが、風疹も流行のきざしがあるとの事なので十分注意して下さい。

 さて今月は先月に続き飲酒と健康に関する話題をお届けしたいと思います。
 先月はワインの心臓病発症リスクの低減効果でしたが、今月はビールの健康プラス要因のお話です。

 ビールに関して世界各国から様々な効果の研究報告がされています。
 先ずフィンランドの研究グループから「ビールを飲むと腎結石の進行の危険性が減少する」という報告がされています。(American Journal of Epidemiology誌) 50歳から69歳までのフィンランド人男性2万7千人を対象に調査したところ、1日1本のビールを飲むと、結石の進行の危険性が40%減少することが判ったそうです。またアルコールの入っていない、ミルク、ジュース、コーヒー、お茶などでは影響は見られなかったといいます。腎結石はカルシウム分の多い石であることから、ビールを飲むことによって尿量が多くなり、またアルコールがカルシウムを排出するためと研究者は考えているようです。

 「ビールは心臓病や卒中による死亡率を下げる」という報告も出ています。University of New South Wales研究グループによると、1日1〜2杯のビールを飲むと、心臓病や卒中による死亡の危険性を低くできるということです。研究では、1930年以前に生まれた男性1千200人と女性1千500人を対象にした結果、心臓病による死亡がビールを飲まない男性では51%、飲むグループでは42%です。また、女性では飲まないグループでは51%で、飲むグループで43%となりました。男女共にビール飲酒により、8%程度心臓病による死亡が減るようです。ただし研究者は「飲みすぎるとその有効性を消してしまう」と付け加えています。

 「ビールに発がん物質の突然変異原を抑制する働き」こうした研究報告も今年1月に発表されています。(Journal of Agricultural and Food Chemistry1月号)日本の、岡山大学の研究グループが行った研究で、イギリス、フランス、ドイツ、日本、アメリカなど11カ国からのラガー17種類、スタウト4種類、エール2種類のビールを比べたところ、ほとんどのビールがheterocyclic amines(Has)という突然変異原の活動を抑えこんだということです。Hasは、食物に火を通す間に発生するとされ、発がん物質として知られるものです。また研究では、赤ワイン、白ワイン、ブランディー、日本酒にも同じような働きが見られましたが、ウィスキーにはそうした効果は見られなかったそうです。

 こうした「適度な飲酒による健康への好ましい作用」が世界中で次々に報告されつつあります。とはいえ、アルコール摂取は食道がんや肺がん罹患率を高めることはこれまでの研究で判っています。過度な飲酒は重篤な健康被害をもたらし、寿命を早めることは明らかです。がん予防として、専門家たちが推奨するライフスタイルは、果物、野菜、食物繊維の摂取量の増加、運動量を増やして体重減少に努める、禁煙、そして飲酒量の減少というものです。
 問題は喫煙と飲酒のコンビネーションにあるようです。喫煙と飲酒の相性は最悪で、食道がんの罹患率を100%高めるという(International Journal of Cancer誌8月号)。米国では毎年9千人近くが食道がんで死亡していますが、インターナショナル研究員チームによる研究報告では、喫煙と飲酒を控えることで、男性の食道がんの90%は予防できるといいます。


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本部 安藤研治
 
 
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