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協会だより
更新日:2014年4月7日
◇ 4月のおたより  ◇
 
 4月に入り桜も満開となり、気温も上昇しましたが時折寒い日もありますので体調管理には十分注意したいものです。
 さて今月はスマートシテイとスマートハウスを取り上げて見たいと思います。

 スマートシテイとは次世代都市を意味し、2010年以降世界各地で注目されはじめましたが、具体的に言うとコンピュータ技術を活用して、公益エネルギー事業(電力、ガス、水道)、教育、ヘルスケア、治安、不動産、交通、行政などの都市として重要なインフラやサービスがより効率的に機能する都市を指します。

 このスマートシテイ実現の目的は主に地球温暖化対策都市問題の2点です。
 まず地球温暖化対策の背景にはEUでの温室効果ガス削減量1990年比20%減達成のための再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱、バイオマス)の利用率向上や日本での東日本大震災時の原発事故による電力エネルギーの制約等があります。

 次に都市問題とは国連の人口統計では1980年までは世界人口の60%が地方であったのが、2010年には都市部は36億人で地方の34億人を越え都市に人口が集中してきました。更に2050年には都市部の人口は64億人で地球全体の約67%になると推計されています。このような都市部の人口増加が生じると居住空間の不足のみならず、交通渋滞の発生や医療、教育、治安などの生活サービスの需要増大が起こるため、それに耐えうるインフラ整備が不可欠となります。現在世界では2,000か所以上でスマートシテイへの取り組みがされており、その中でも主要なプロジェクトは400以上と言われています。その内では中国が天津地区で世界最大級の3兆円規模のスマートシテイプロジェクトに取り組んでいます。

 ところでスマートシテイにより都市部の電力網はどのように変わるのでしょうか。
 従来の電力網は、大規模な発電所から一方的に需要のピーク時を基準にして発電及び送電しているためムダが多いと言われていました。スマートシテイにはスマートグリッドと言われる電力の流れを発電から消費するまでの全てにおいて、制御・最適化した電力網が配備されます。スマートシテイの電力供給源となる太陽光、風力、地熱等自然エネルギーは発電量が一定でないという弱点があります。スマートグリッドでは、地域の需要に応じて電力を融通し合うなどして、不安定な自然エネルギーによる発電を補えるように考えられています。


 具体的には、昼間など太陽光発電や風力発電で確実に発電できる間は、発電した電力を電気自動車や家庭用蓄電池に蓄電し、電力使用のピーク時や、夜間など発電ができないときに使います。こうすれば、大規模な発電所もスリム化でき、現在よりも小規模な送電網でまかなう仕組みをつくることで、送電ロスも減らすことができます。電力のやりくりは、供給側と消費側だけでなく、比較的隣接しているコンパクトなそれぞれの地域の送電網どうしでも行うなど、より効率的のよい電力網をつくることによって、不安定な自然エネルギーによる発電も、電力網に組み込むことができるようになります。

 それでは、将来の電力網がこのようなスマートグリッドになるとしたら、住宅はどのように変化していくのでしょうか。
 将来の住宅(スマートハウス)には発電設備として新築時に屋根に太陽光発電装置が設置されます。昼間発電した電力が使い切れずに余った場合は電気自動車や家庭用蓄電池に蓄電し、電力使用のピーク時や、夜間など発電ができないときに使います。そのため住宅に家庭用蓄電池など蓄電設備を設置するスペースが必要です。


 スマートハウスは社会だけでなく、消費者側にも大きなメリットがあります。自宅でエネルギーをつくるスマートハウスは、住宅から排出されるCO2を減らすことができ、光熱費を削減できるからです。このような点からもスマートハウスはこれからの住宅の指標となりそうです。

(JRIレビューVol9.No10 一部引用)


  日本健康住宅協会では平成26年度の最初の公開試験として、第71回健康住宅アドバイザー試験を7月6日(日)と7月9日(水)の14:00から何れも東京、大阪の2会場で開催致します。試験の申込期間はゴールデンウイーク明けの5月7日(水)から6月4日(水)までです。詳細は4月下旬に協会HPに掲載予定です。

本部 安藤研治
 
 
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