10月に入り徐々に秋の深まりを感じる様になりましたが、10月は年間で最も気象変化が大きい月と言われています。初旬は秋雨前線が停滞して天気がぐずつきやすいのですが、中旬以降は高気圧と低気圧が交互に通過して周期的な天候になる傾向があります。また夏台風に比べて速度の速い秋台風の襲来にも注意が必要です。 さて今月はトイレと細菌を取り上げて見たいと思います。

家の中で、1日に何度も訪れてしまう場所、トイレ。狭い個室の中で物思いにふける、スマートフォン（スマホ）や雑誌をチェックするのは日常茶飯事、なんて人もいるでしょう。すっきりするだけでなく、人によっては“憩いの空間”でもあるトイレですが、こわ〜い秘密も隠されているようです。例えば、ふと目をやると、トイレの隅にたまっているほこり。そのうち掃除しないと、と思っているうちにどんどん増えていくほこりですが、他の部屋のほこりとは違い、たちが悪いものらしいのです。
　日用品メーカーのライオンの調査によると、このほこりの成分は、トイレットペーパーや衣類から出る繊維だといいます。そして、同社が首都圏の7家庭のトイレから採取したほこりを調べたところ、なんと、1グラム当たり数十万から数百万個もの細菌が見つかったというのです。
　この数字はリビング（数万〜数百万個）や寝室（数万〜数十万個）と比べると圧倒的に多く、さらに、出てきた菌の種類を調べたところ、トイレのほこりのみに臭いの元となるブドウ球菌や、菌種によっては食中毒の原因ともなる大腸菌群の両方が見つかりました。

　なぜトイレのほこりには多くの菌が潜んでいるのでしょうか？　同社は原因を突き止めるため、ブドウ球菌と大腸菌群にトイレットペーパーと綿を混ぜた“モデルほこり”を加えて培養。24時間後、どちらの菌もほこりを加えた方は、加えていない方の約10倍に増えていました。どうやら菌はほこり自体を栄養にしてどんどん増えていくらしいのです。
　またやっかいなことに、ほこりの菌と尿はね（飛び散ったり、トイレの水と混ざったりした尿のこと）が混ざると、尿から出るアンモニアは3倍にまで増え、臭いが強くなるといいます。同社の担当者は、「トイレを “菌まみれ”にしないために、こまめにほこりを取り除くことが大切だ」と指摘します。

ではどうすればよいのでしょうか。除菌クリーナーでふき取るのがおすすめだそうだが、「汚れを出さない、ため込まない」ということも重要だといいます。例えば、男性は尿はねを減らすために座って用を足す、1日1回は便座の裏側をふく、ほこりに気づいた時にさっとふく、といったことです。ちょくちょく換気して空気中のほこりを取り除くのも効果的だそうです。
　しかし、ほこりを出さないようにしても安心できないかもしれません。同じく日用品メーカーのジョンソンが運営する掃除のコツなどをまとめたサイト「暮らしの『はてな』？」によると、トイレの中で、最も菌が多いのは、便器でも便座でもなく、掃除で使うブラシだというのです。
　同社が一般家庭を対象に調査したところ、10平方センチ当たりの菌数は、便器１〜83個、便座3〜50個、床1〜94個に対し、ブラシ1本当たりの菌数は、8000万から23億個にも上りました。他の調査では、「ブラシには1本当たり7万2000〜330万個のカビが付着している」という結果も出ており、これらはブラシケースの湿った環境の中でどんどん繁殖していくといいます。
　そして掃除を終えてブラシをケースにしまう際の水切りも、汚水を周りに飛び散らす原因になっているとか。ブラシに菌やカビを繁殖させないためには、日光消毒して十分に乾燥させて保管する、使い捨てのブラシを使う、といった対策が有効だそうです。
　想像すると恐ろしい“菌まみれ”の場所、トイレ。トイレにスマホや雑誌を持ち込んでゆっくりする人もいるだろうが、それは、トイレの菌をわざわざ別の場所に持ち運んでしまうことにもなります。こうなってくると、“憩いの空間”どころではありません。慌ただしい生活の中で、ほっと一息つける場所も必要ですが、トイレにこもり過ぎるのも考えものかもしれません。「トイレ掃除をすると、美人になる」とも言われているし、休みを利用して、徹底的に掃除してみてはいかがでしょうか。

「マイナビニュース･2015/04/13記事引用」

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