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協会だより
更新日:2017年6月1日
◇ 6月のおたより  ◇
 

 2016年度の総決算ともいえる“健やか住まい方シンポジウム”も多くの来場者の下、終えることが出来ました。4つの住環境と3つの防除対策をベースに東京・大阪で開催した9つの部会がそれぞれ1年間の活動結果でもある白書を説明し活発な討議が行われました。その中での光視環境部会がパイロットランプが散乱し夜電気を消しても暗くならないと発表しておりました。
そんな時に興味深い記事を最新の健康ニュースで見つけましたのでご紹介します。
http://kenkounews.rotala-wallichii.com/posts_list/





周囲の光の明るさが血糖値や中性脂肪値に影響する

(2017年5月) "Journal of Biological Rhythms" に掲載されたアムステルダム大学の研究によると、周囲の光の明るさが食後の血糖値と中性脂肪値に影響します。そして、肥満の2型糖尿病患者と普通体重の健常者とで光が血糖値と中性脂肪値に及ぼす影響が異なります。


研究の方法
普通体重の健康な男性8人と2型糖尿病を患っている肥満男性8人を被験者とするクロスオーバー試験(*)を行い、まぶしい光が血糖値や血中脂質値に及ぼす影響を調べました。

試験では、被験者の男性たちに午前7時30分から5時間にわたり、4千ルクスの明るい環境または10ルクスの暗い環境で過ごしてもらいました。試験開始から1時間が経過した午前8時30分に600キロカロリーの朝食(負荷試験に用いられる混合食)を食べてもらいました。

(*) 被験者を複数のグループに分けて各選択肢に振り分けるのではなく、被験者全員に一通りの選択肢を体験させるという試験。 例えば今回の試験では、被験者を2つのグループに分けて一方に暗い環境を、そしてもう一方に明るい環境を体験させるのではなく、被験者全員に暗い環境と明るい環境の両方を体験させた。


結果
次のような結果となりました:


普通体重の健康な男性

  • 空腹時血糖値: 光の強さに影響されない(4.8nmol/L → 4.8nmol/L)
  • 食後血糖値: 光の強さに影響されない
  • 空腹時中性脂肪値: 光が強いと増加
  • 食後中性脂肪値: 光が強いと増加

2型糖尿病の肥満男性

  • 空腹時血糖値: 光が強いと増加(7.6nmol/L → 8.4nmol/L)
  • 食後血糖値: 光が強いと増加
  • 空腹時中性脂肪値: 光の強さに影響されない
  • 食後中性脂肪値: 光が強いと増加

解説
周囲の光の強さが視床下部に働きかけてエネルギー代謝に影響することが知られています。
また複数の観察研究で、周囲の光の強さと血糖値や血中脂肪値のあいだに関係のあることが示されています。


留意点
光にさらされる時間帯によって、血糖値や中性脂肪値に光が及ぼす影響が異なる可能性があります。
また、朝に強い光に当たるということを長期間続ける場合にも、光の影響が異なるかもしれません
(朝に強い光を浴びる習慣を続けてインスリン感受性が改善されるというケースも報告されています)。




健やか住まい方白書2016が近々リリースされます。
今回ご来場いただけなかった健康住宅アドバイザーの方は協会HPをご覧ください。

 

本部 和田 伸之
 
 
<協会だより>
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