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協会だより
更新日:2014年11月10日
◇ 11月のおたより  ◇
 
 11月になり気温もかなり下がり、そろそろ紅葉のシーズンを迎えようとしています。
さて今月は「血液のにごり」を取り上げて見たいと思います。


「血液のにごり」は、一般的に健康診断では見つけられない異変です。
つまり健康診断では問題ないと言われているのに、気づかぬうちに血液に異変が生じ、動脈硬化などを招く危険があります。知らずに放っておくと、ある日突然心筋梗塞など命に関わる事態を引き起こすこともあるのです。

 「にごり」が現れるのは、血液の中でも、赤血球などの成分を分離して取り除いた後に残る、“血清”という液体の部分です。正常なら透き通っているのですが、食事をした後に血清がにごってしまう人がいます。食事に含まれる脂肪分は血液中の中性脂肪を増やしますが、10人の被験者で調べた結果、食後3人の血清に「にごり」が現れたのです。
 にごりが出なかった7人は、食後にいくらか中性脂肪値が上昇するものの、ほぼ正常範囲内におさまっていました。ところがなぜか3人だけは、同じ食事をとったにもかかわらず、正常範囲を大きく上回る値まで中性脂肪値が上がり、血清ににごりが現れたのです。
 その3人も、8時間後には正常範囲内に中性脂肪値が下がり、にごりも消えました。だから、通常食後12時間以上たってから血液検査を行う健康診断では、3人とも「異常」とはされなかったのです。

 この「食後まもなくだけに現れる“血液のにごり”」は「食後高脂血症」と呼ばれ、ある危険な病気のシグナルであることがわかってきました。食後まもなくの血清ににごりが現れた3人を、専門の医師が詳しく検査すると、なんと3人全員の体に動脈硬化が起きていることがわかりました。

 食事中の脂肪分は、中性脂肪として血液中を流れます。これを分解するのが、血管内に存在するリポたんぱくリパーゼという酵素です。この働きで中性脂肪は小さな脂肪酸に分解され、全身のあらゆる組織に取り込まれてエネルギーとして使われます。
 ところが、何らかの原因でリポたんぱくリパーゼの数が減ると、中性脂肪が十分に分解されません。すると、中途半端な大きさの「残りかす(レムナント)」がたくさん生じ、これが血管壁の内部にとどまります。これが蓄積していくと、その血管壁で動脈硬化が引き起こされるのです。

 食後まもなくの中性脂肪値の高さと、心筋梗塞や狭心症などの発症リスクの関係を調べた調査によると、食後に血清がにごる人は、にごらない人に比べて約3倍もリスクがあるという結果になりました。


 ところで中性脂肪を分解するリポたんぱくリパーゼはなぜ減ってしまうのか。その要因が、「内臓脂肪の増加」です。脂肪細胞に蓄えられた脂肪が増えすぎると、脂肪細胞から「もう脂肪酸はいらない!」という信号が出され、リポたんぱくリパーゼの数が減ってしまうのです。

 かりに健康診断では「異常なし」でも、最近急に腹囲や体重が増えている人は、食後高脂血症の可能性アリと考えるのがいいでしょう。
 では、どうすればリポたんぱくリパーゼを増やし、「血液のにごり」を解消できるのか。
 そのポイントは、「内臓脂肪を減らす」ことと、「筋肉を増やす」ことの2つです。
 エネルギーとして脂肪酸を多く消費する筋肉には、その毛細血管の中にリポたんぱくリパーゼが多くあります。筋肉をよく動かして鍛えれば、リポたんぱくリパーゼが活性化され、数も増えやすいのです。


 「血液のにごり」改善のための運動の目安は、1日30分以上の早足ウォーキングです。
 軽く息が弾む程度の運動がおすすめです。継続的に行うことで、にごりをスッキリ解消されます。 なお血中の中性脂肪を増やすもののひとつに、果糖があります。果糖は、ぶどう糖の2倍以上も甘みが強く、少量でも強い甘みを生み出せるため、低カロリーの甘味料として清涼飲料水などによく使われています。ところが、摂取した果糖は肝臓に取り込まれ、その一部が中性脂肪に変換されるという特徴があります。また、満腹感を感じにくいという性質があり、ついとりすぎてしまいがちです。飲料水などの成分表示を見れば、どれくらいの割合で果糖が含まれているかがわかるので、とくに中性脂肪値が高めの方は、果糖のとりすぎに気をつけましょう。


「NHKためしてガッテンWeb記事引用」


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本部 安藤研治
 
 
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